―― コウモリ猫の世界 ――



飲血用の人間の生産・流通に成功したコウモリ猫。

その高品質な血は吸血鬼と一部の人間に高い値で取引され、莫大な資産を得る。

やがてコウモリ猫の間に経済が築かれ、独自の文化が生まれ始める。

血液市場は順調に成長を続け、本来群れずに生活をしていたコウモリ猫達であったが、

多くの者達はその社会に関わりを持つようになる。



それから間も無く、コウモリ猫の経済力は吸血鬼達を遥かに凌ぐものになっていた。

当時、血の生産は人間の赤子を一から育てあげ、成熟した後にその血を採るという、

時間と手間の掛かる方法であった為、市場への供給量は需要に比べ雀の涙程度であった。

その僅かな血の欲しさから吸血鬼達はコウモリ猫と契約を始める。

血と引き換えに行うその契約内容は様々であったが、

どれも吸血鬼としての尊厳、自由の無いものだった。

しかし、それでも契約を求める者は増え続け、コウモリ猫と血の奴隷と化していった。



コウモリ猫は、愚かに思える程に血に貪欲な姿を見せる吸血鬼を 『蛮族』 とし、

そんな蛮族が好む 『首に歯を立て血を吸う』 飲血方法を 『悪』 とした。